Concept
写真家であるクライアントは、隣接する写真スタジオと住居部分を融合させ、住居に撮影の「場」としての機能を持たせ、互いに機能でき、周辺状況を考慮したプライベートな空間を要望された。敷地は南側に道路を挟んで著名な神社に面しており、南面にそびえたつ鬱蒼とした大木の影響で冬場は2階でも日当たりが悪く、夏場は虫が大量発生する原因となっている。人通りの多い道路に加え周辺はすでに3階建てに囲まれており、騒音と視線を考慮する必要があった。
道路側の視線、明かり、音の問題から1階部分はガレージを挿入し居室空間を持ち上げ、さらに縦軸方向に1.5層のばし、吹抜けのガラス面を通して、大木越しの光のルートを創ることにより、下からの視線や音、虫の問題を解決させた。この半層ずらした吹抜けは北側から南側に視線をつなぎ、2階と3階の光のコアとなるライトウェルを通し建物内部に光を落とし、また、スタジオ側のルーバーを開放することによりさらに空間はスタジオ側へとつながり、開放性と撮影の「場」としてのスペースに変貌するようになっている。
Designer
阪本 好史
kobori 研築工房/SxL
小堀の住まい設計工房
毎回毎回、敷地も、お客様も違う。毎回「今度が一番難しい」と思いながらやってます。

入社から半年間、来る日も来る日も、測量へ行かされた。何枚も何枚も、測量図を描いた。半年経って、上司が言った。「やっとまともな図面が描けるようになったな。設計やらせたるわ」。
あれは貴重な経験だったと思っている。自分で敷地を見る目が養えた、と。建築家の仕事は、「人生の楽しみ」。もともと飽き性なのだが、この仕事だけは決して飽きることがない。なぜならば、敷地も、お客さまも、毎回毎回ちがうからだ。だから、毎回毎回「今度がいちばん難しい」と思いながら、図面と格闘している。