Concept
敷地は古い建物に囲まれており、道路を介した西側の視線のみが小学校へと抜けている。春になれば校庭は桜で満開になり、道路に沿って更に北に目を移すと六甲山の青々とした木々が間近に迫ってくる。
反対に、前面の道路はバス通りになっており視線や音の問題も抱えている。
与えられたこれらの両極端の条件を建築と関係付けていくためには、内部からも両極端に見えるところ、見えないところをはっきりと対比させ、場によって「内部を感じる」部分と「外部を感じる」部分に分けてしまうことを考えた。
上層部のみに持ち上げた開口部は外部からの視線をカットし光はあたかも地上から差込むイメージになっている。
リビングを挟む両サイドの庭は地下のドライエリア的な役割を果たし、1階から空へ視線が抜けて、中庭のガラスに映りこんだ空と雲の色が内部を照り返す。
2階奥のプライベート空間からは建物の中庭を通して校庭へとつながり外と中が交互に連続した溶融した空間となっている。
Designer
阪本 好史
kobori 研築工房/SxL
小堀の住まい設計工房
毎回毎回、敷地も、お客様も違う。毎回「今度が一番難しい」と思いながらやってます。

入社から半年間、来る日も来る日も、測量へ行かされた。何枚も何枚も、測量図を描いた。半年経って、上司が言った。「やっとまともな図面が描けるようになったな。設計やらせたるわ」。
あれは貴重な経験だったと思っている。自分で敷地を見る目が養えた、と。建築家の仕事は、「人生の楽しみ」。もともと飽き性なのだが、この仕事だけは決して飽きることがない。なぜならば、敷地も、お客さまも、毎回毎回ちがうからだ。だから、毎回毎回「今度がいちばん難しい」と思いながら、図面と格闘している。