Concept
初夏の夏草で覆われたこの敷地に初めてたった時、目の前に空と境目がない、コーラルブルーの海が限りなく広がっていた。 この敷地は海に面した国立公園の東の端に位置している。 この絶好のロケーションを生かすことが当初からの課題であったが、建物のイメージはこのロケーションを初めてみた時点で出来上がったといっても過言ではなくそれ以降はプラン構成の問題であった。私たちは緑を住空間の中へどのような形で取り込もうかと悩むが、ここではグリーンではなくブルーです。すなわち、光、風、空気、雨、雲・・・・・・それらすべてのものがブルーの上に存在しているのであり、それを無視しては成り立たない。また建物の外観にはじまり、ソファー、テーブル、ブラインド、室内の調度品までもが、切り取られたブルーの色に染まっている。この建物にある種の統一感があるのはすべてのものが海の方を向いているからである。
Designer
橋戸 克史
kobori 研築工房/SxL
小堀の住まい設計工房
30歳まで大手ゼネコンで経験を積んだ。RCが主だった。だが、「住宅は、必ず木を用いなければならない。自分が持つRCの技術と木造のノウハウを融合させ、人が心地よさを感じる空間づくりをしよう」。そう考えて、当時の小堀住研に転職をした。無駄をそぎ落とし、光や風といった自然の恵みを巧みに取り込むミース・ファン・デル・ローエやルイス・カーンの作風に影響を受けながら、常に自分の感性を磨き続ける。ただし、「私の感性や発想した空間構成を、いかにオーナーのセンスとマッチングさせるかが重要。施主のライフスタイルや思考を尊重しなければ、それは住まいとはいえない」と語る。