Concept
1階に医院、2階にご夫婦と子供2人の住まいを計画した医院併用住宅である。外観はコンクリート打ち放しの壁に、2つの白い箱が乗るという、一見するとシンプルでモダンにできているが、跳ね出した白い箱の下にできる「軒下空間」やコンクリートの型枠に杉を使うことでどこか懐かしさを感じるものにしている。
室内は、ほどよい採光と庭に配された樹々、蹲に張られた水の揺らぎ、竹のざわめく音などが時間や季節によって、様々な表情がみえるようにした。
この医院の名前には「お年寄りから子どもまで家族のみなさまに総合的な医療を提供し地域に貢献する」という施主である医師の思いが込められている。
この建物はモダンなデザインの中に日本の伝統的な仕掛けや工夫を盛りこんでいる。お年寄りには原風景であり、子どもたちには思い出となり記憶の中に刻まれていく。
日本人の心の深いところに染みこんでいるのものは永遠であり、そういった感性を刺激することで地域の人々から愛されると考えている。
Designer
小山 信行
kobori 研築工房/SxL
小堀の住まい設計工房
「施主さまが言葉で表現されるのはごく一部。大切なのは、言葉に出てこない「真の思い」をどれだけ読み取れるかです。」

建築家としていつも心がけているのは、施主様の「真の思い」を読み取るということ。
建築のアマチュアである施主様が言葉で表現できるのは、思いのごく一部にすぎない。だから、プロはそこから深く掘り下げて「真の思い」を読み取らなければならないと思う。
戦後、日本の建築は大切なものを置き去りにしてきた。四季の風情。世代を超えて人々が継承してきた様々な文化。
それらを大事にして、次の世代につないでいくこと。日本に住んで日本で家を建てる建築家の責任はそこにある。