Concept
古くからの住宅街。ゆったりとした敷地からは、周囲の民家の屋根越しに遥か山々が眺められる。風情あるその眺望をいかに日常に取り入れるかが、空間設計のポイントとなった。山の稜線へと視線が抜ける2階に、家族が集うLDKを計画。眺望に向けて大きく開口する一方、外部にはデッキやバルコニーを設けるとともに、隣家を気にせず風景を切り取れる高さに手摺壁をめぐらせた。建ぺい率40%という厳しい条件によって敷地内の随所に生じた余白スペースには、個性的な5つの庭を配置。庭に面する壁面をガラス張りにすることで、庭との一体感がある住空間を創出している。1階、2階、部屋から部屋へ。そのたびに、窓の外には美しくも異なる風景が展開する。近景の庭と遠景の山が描き出す四季折々の豊かな表情を堪能できる住まいである。
Designer
小山 信行
kobori 研築工房/SxL
小堀の住まい設計工房
「施主さまが言葉で表現されるのはごく一部。大切なのは、言葉に出てこない「真の思い」をどれだけ読み取れるかです。」

建築家としていつも心がけているのは、施主様の「真の思い」を読み取るということ。
建築のアマチュアである施主様が言葉で表現できるのは、思いのごく一部にすぎない。だから、プロはそこから深く掘り下げて「真の思い」を読み取らなければならないと思う。
戦後、日本の建築は大切なものを置き去りにしてきた。四季の風情。世代を超えて人々が継承してきた様々な文化。
それらを大事にして、次の世代につないでいくこと。日本に住んで日本で家を建てる建築家の責任はそこにある。